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News 28/07/11

Conran shopのカタログは、弊社で設計したRiverside Houseです。このカタログの存在はしっていたのですが、このたびたまたまカタログが送られてきましたので、お知らせさせていただければと思います。

Conran shop uses “riverside house” that we design.

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石巻工房

石巻工房について少しだけ書いておきたい。

何度となく書いているけれど、いつも中途半端だったからきちんとまとめてみたい。まず僕は石巻にクライアントがいた。昨年とてもお世話になったクライアントである。彼が震災後に呼んでくれた、だから震災後早い段階で被災地に乗り込むことになった。それが全ての切っ掛けである。途方もない被害状況のなかで、僕はまず彼がお店を再開すること、彼らの住まいを確保すること、それにエネルギーを注ぐことに決めた。僕一人だけではお手伝いできない、だから嘗ての仲間super robotもいっしょに来てもらった。彼らは去年、クライアントのお店の家具工事とサイン工事をお願いしていたし、ボスの細川さんは阿部さんのお姉さん、そして旦那さんのジョフレーを良く知っていたから工具一式つんで現地にいった。
掃除がメインだったけれど、工具があることでいくつか直していけるなという思いはあった。と同時にクライアントが自らの住まいをボランティアセンターのごとく部屋を開放してくれた。実はそれがあとで大きな違いをうむことになるわけど、それはまた別の機会にお話したい。

そんなこともあって、旧北上川から近いエリアは壊滅的な被害をうけていただけれど、工房的な機能をもったスペースが近くにがあれば、復興のスピードも随分違ってくるんではないかと、ぼんやりと思っていた。そんなときに津波の被害をうけながらも、震災後早々に再オープンしたというお店の話を聞いた。オーナーはインパクトドライバーを片手に自分で直したと誇らしげである。

設計事務所やデザイン事務所では当たり前のような気もするが、自分たちで簡単な家具をつくったり、展示会のブースをつくったりする。一つの理由は、実はそのスキルがないと、自分の仕事を発表することのハードルが高すぎるのである。プロに頼むほどコストをかけれないのだ。そしてモノをデザインすることと、自分で何かを作ることの関連性があることを彼ら、僕はしっている。そうした経験を踏まえて、石巻旧市街において、あと1年、2年はDIYのスキル、デザインのスキルが大きくこの町に影響してくるはずだという直感があった。それでも工房の話をしたときに、結構な賛同者がいてくれたことは本当にうれしかった。

デザイナーが社会とどう関わっていくのか、そういった議論がここ数年多かったのも幸いだったと思う。自分のデザインは社会に役に立つのだろうか?と多くのデザイナーが自問自答をしているなかで、震災がおこった。そんなタイミングだったからこそ震災後デザイナーは様々な動き方をした。僕もその様子を眺めていたし、手伝ったりもした。僕の手伝いの全てがうまくいったとは言えないけれど、そこでジタバタしたことで様々なことが見えた。何しろ初めての経験である。良くわからないからこそ、初めて被災地にいったときは、シャベルと長靴、そしておいしい夜ごはんを抱えていった。体を使うしかないと思ったから。状況が落ち着きつつあると同時に、先ほども書いたように、工房をつくったらいいんじゃないかとピーンときた。すくなくとも、僕が石巻にいったときには必要な施設だったし、それがあることで僕の出来ることが格段に増えるという自信もあった。

では工房をどうつくるか?実はその時点ではなにも考えてない。それどころか、工房ができるとして、それだけでいいのか?とさらに欲張って考えていた。5月に石巻にいったときに、注意深く町を眺め、人の話をきいていたときに、僕のクライアントがぼそっと呟いた。「この町には教育が必要だ。」ここでいう教育とは、様々な意味を含んでいたのだけれど、僕は教育という言葉を真に受けて、石巻の学校を調べた。石巻工業高校に建築学科がある。彼らは大学に行く人も、大工になる人もいるようなユニークな学科だった。思い付きでこの学校とまず協働しようときめた。彼らが復興の担い手だからだ。直接彼らの手によって復興させていくわけである。彼らといっしょに何かをつくる、つくることで教育的なこともできるんじゃないかと。特になんの当てもなく。工房と教育をつなげようと、ただそう思ったのだ。

そんな無謀な話に地元の人が動いてくれたのと、先生の昔の職場でのネットワークによって話はなぜかトントン拍子にすすみ一緒にベンチを作ろうという話になった。話はここから動きだす。いや動かさなければいけなかった。実はこの時点では何もない。場所もない、木材もない、そしてお金も。あわてて助成金の申請や、工房の確保、木材の提供先さがした。こうした本来であれば複雑な状況も、わりと短時間でクリアできたのは、震災復興という状況による。皆支援という方向に向いていたから。そうこうすることで、なんとか高校生とのワークショップができることになったわけである。

工房での仕事はなにか。まずは工房の整備が必要だった。津波の圧力によってひんまがったシャッターをきり、新たに扉や窓をつくりなおすこと。工房内のガラクタの解体、作業テーブル。そして高校生とは屋外用のベンチを大量につくった。テーブルも。お祭りのための射的台も欲しいとの要望があったりして、つくったりもした。
結局ベンチ、テーブルはあわせて45台。やればできる。そんなどうでもいい格言を思い出した。

道具を借りに来る人たちもぼちぼち増えてきた。改装につかうもの、解体につかうもの、また作業そのものが楽しくて遊びにきてくれた地元の人たちもでてきた。この工房ではいまベルギーの若い建築家による都市計画を考えるワークショップをやっているが、来月には東北大の学生によるワークショップ、獅子舞をつくる職人、アメリカの家具の会社が復興支援のベースとしてここを使いたいと話がきている。

そして僕は、この工房の機能をさらに充実させて、工具や道具を増やし、コミニケーションの拠点とすると同時に、今後復興するうえで必要な支援をしていきたいと思っている。石巻マルシェをつくろうという話があって、そのプロジェクトをいかに進めていくか考えている。工房では、そのブランディング、プログラム、DIYでできる全てのことを支援していくつもりである。いずれにしても、快適で豊かなマルシェをつくっていきたいので、ただやさいや魚が集まったというものではない、生き生きとしたマルシェにしていきたいのである。どこか車で買いに行くよりも、よっぽど魅力的な、そして遠くからわざわざこのマルシェを楽しみにきてしまうようなそんなスペース。工房にあつまったメンバーであれば僕はできると確信している。

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職人的な勘

最近、リノベーションの依頼が多くなった。リノベーションの仕事は(リノベーションに限らないが)、ノウハウとして書けないノウハウがあるような気がする。
ある程度機転を利かせないと解けてこない。ざっくりと書くと、一つはプラン的な処理であり、一つは設備的な思い切りである。クライアントとのやりとりのなかでのヒントやコストなどの観点から、分析するまでもなく、ピーンときたものがだいたい答えになる。
この手の勘は、ピアノの練習といっしょで、続けることで磨く、そして維持できる勘のようなものだなつくづく思うけれど、いってみれば職人的な勘なんだろうと思う。
職人さんに質問すると、とても歯切れよく、間髪いれず返答が返ってくる。(ときにして
彼らは出来ることを出来ないともいう。それは職人の職業的な、すなわちお金があわないと
判断したときだ。)実はそこには膨大な量の体で覚えた知識が一瞬にして結びつきあい
返答しているのであろう。
よく建築の仕事をうまくなりたければ辞めないことだ、とはいうけれど、
つまり職人としての勘を磨けということなんだろうと思う。

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ジャンプ

何かをデザインする行為を編集作業だという人がいるけれど、このマジックワードには根本的な欠落を抱えている。確かに編集的な側面はいなめない。つまり、状況を整理し、整頓していくという行為は、デザインを作っていく上での作業、そのほとんどだ。僕も建築を設計することはパズルを解くようにプランを解いていくという話をしていたことがある。それはどこか建築も編集だといってしまっているに近いところがある。それだけでは足りない。何が必要か?建築の設計、あるいはデザインの詰めをやっていく上で、大きなジャンプが必要だと思っている。そのジャンプがなければそのデザインは実はあっというまに消費されてしまうとすら思う。ところがそのジャンプは実はあまり上手に説明できないことも多い。言葉だけで組み立てていくデザインの危うさは、こうしたジャンプを否定してしまう危険性もある。
ジャンプのない、つまり詰めがあまい何かは、最後のジャンプをだれかにみすみすあげているようなものだし、僕の嘗てのプロトタイプをながめても、そのジャンプがないものが結構ある。残念。
条件の整理、コスト、マテリアル、すべて整ったうえでの、大きなジャンプ。そのジャンプをあえて具体的にいえば、素敵な偶然、もっと具体的にいえば、やはりオリジナリティーということになるのかな。
「オリジナリティーはない。」というマジックワードもあるけれど、おそらくクオレパトラの時代から同じようなことが語られているような陳腐な話だろう。このように、そこに頼りたいひとが頼る便利なワードが無数にあって、ついそこにもたれたくなる気持ちはわからなくもない。
とはいえ、僕はやっぱり「ジャンプ」を見てみたいし、ジャンプの生成過程、生みの苦しみは必要なんだろうと、そう思いながらうまくいかないプロトタイプをみつつ、ため息。昼ごはんにしましょう。

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news

News:

SKYCOURT was shown at the face page of this magazine,
: My Home+ in JuLy.

Keiji Ashizawa Design was futured by Modern decoration home in JuLy.

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デザインをディベロップさせるワークショップについて

いったい何から書き始めたらいいのかわからないほど放置してしまったのけれど、皮肉なことに書きたいことが沢山あったにも関わらず、放置してしまったわけだ。これは決して書く時間がなかったわけではなく、書く気分に何故かならなかったわけである。モノ書き気分には斑がある。
さて、前のエントリーを読むと、おおー、まだ出張中ではないか。
なんと、ずいぶん昔のことに思えるだけに残念でたまらない。いったい何しにいったの?と
家族やスタッフの目を逸らすためにも、まずは出張の核について書きたい。

今回の出張は、家具メーカーが主催するワークショップに参加するためである。
ワークショップといっても、お互いに持ち寄ったアイデアをデベロップするためのワークショップで、
一般的なワークショップとはやや状況が異なる。世界中から集められたデザイナー10組強、
ブラジル、香港、スペイン、ポーランド、US・・。英語の喋り方も違えば、ジョークも違う。
アメリカ人のジョークはあくまでブラックだ。遠くで大人たちが集まっているのを見て、
僕らが何をしているのかと話ていると、
”Sacrifice a child! ” 子供をいけにえにしているのさ。
そんな具合。

すでに各デザイナーが用意した案をもとに、2日間のディスカッションを行い、
最終日に、皆でプロトタイプを作る。プロトタイプを作る工場があり、大凡のことはなんでも出来るという
素晴らしい環境。実際、あの短時間でよくもまあ、あれだけのものをみんな作るよな・・。
流石はなれている。かく言う私も、日曜大工は得意中の得意であって、
ここでは若干鼻が高かったことだけは付け加えておきたい。ただ作るというスキルにおいて・・。

様々なバックグラウンドを持ったデザイナーを呼んだ経緯は、家具のビジネスにおける
世界戦略が第一。次に、各々のデザイナーの生まれ育った環境、ライフスタイルが違うことから、
そこからの発見的な視点を披露させて、各々分析することによって、
モノの強度を生みださせようというアイデア。あるいは信念。
僕はこうした思いこみは、嫌いではないけれど、
ともすると、あるアイデアを 強引に説得させるための道具として便利に使われてしまう危惧もあったし、
実際そう感じることもすくなくなかった。

しかしながら、個性的で、優秀なデザイナーが悩みながら答えに近づいていく様は、
なかなか共有できる話ではないだけに、ゾクっとすることもあったし、
彼らの話かたや、スマートさから学ぶ部分も多く、僕にとってはとても勉強になったと言える。

例えば、一人のデザイナーがこういう。
「スマートになりなよ。製品化されなかったら誰の得にもならないんだ。」
当たり前の話だが、個性的なデザインで知られる彼女が、(僕はあまりしらなかったんだけれど。)
コスト意識が非常に高く、無駄と思えることを一切デザインに盛り込まないあたり、
やっぱりさすがだと思った。また、彼女がワークショップの間、相談相手として選んでいたのは、
隣にいるデザイナーではなく、その会社の開発の人間がメインだった。
彼女はスマートである。

肝心な製品化は、随分先の話だし、なかなか毎回ハードな宿題を出してくるわけど、
投資額から考えれば、まあそのくらいのプレッシャーはいたしかたなし。

いずれにせよ、コミニケーションスキル、プレゼンテーションスキル、
そんなことが一気にためされる3日間。面白かったと総括するには、
あまりにも疲労困憊であり、濃密であり。この年になって、この手の経験(集団生活のような・・)
をさせてもらったことはありがたかったと言える。

次回は、出張前後について。

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